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2022.09.16

民法改正 その3

3.遺産分割に関する新しいルールの導入 (令和5年4月施行)


遺産分割されずに長期間放置されるケースの解消を促進する仕組みが新しく設けられました。
詳細は以前の記事を参照下さい。


2022.09.15

民法改正 その2

2.共有制度の見直し(令和5年4月施行)
共有状態にある不動産について、所在等が不明な共有者がいる場合には、その利用に関する共有者間の意思決定をすることが出来なかったり、処分できずに公共事業や民間取引を阻害したりしているといった問題が指摘されています。また、所有者不明土地問題をきっかけに共有物一般についてのルールが現代に合っていないことが明らかになりました。そこで、共有物の利用や共有関係の解消をしやすくする観点から、共有制度全般について様々な見直しが行われました。
① 共有物を利用しやすくするための見直し
・共有物につき軽微な変更をするために必要な要件が緩和されました。(共有者全員の同意は不要となり、持分の過半数で決定できます。)
・所在等が不明な共有者がいる場合には、他の共有者は、地方裁判所に申し立て、その決定を得て、残りの共有者の持分の過半数で、管理行為ができ、又、残りの共有者全員の同意で、変更行為ができます。
管理行為の例:共有者の中から使用者を1人に決めること。
変更行為の例:農地を宅地に造成すること。
② 共有関係の解消をしやすくするための新たな仕組みの導入
所在等が不明な共有者がいる場合には、他の共有者は、地方裁判所に申し立て、その決定を得て、所在等が不明な共有者の持分を取得したり、その持分を含めて不動産全体を第三者に譲渡することができます。裁判所において、持分に応じた時価相当額の金銭の供託が必要となります。
これらの改正により、土地の共有者が不明でストップしていた事業も、これからは進めていくことができると期待されています。

2022.09.13

民法改正

土地・建物に特化した財産管理制度の創設 (令和5年4月施行)
例えば、隣地に所有者不明の土地や建物があり、雑草が生い茂って自分の家まで侵入している、虫や害獣の住処となり繁殖している、放火の危険があるなど、隣地所有者としては、とても迷惑、心配をかけられている状態でも、今までは有効な手立てがありませんでした。
そこで、今回の民法改正により「土地、建物に特化した財産管理制度」が創設されました。
従来より所在がわからない人の財産を管理する制度として、「不在者財産管理人制度」があります。不在者財産管理人は、相続人の1人が行方不明である場合などに、不在者の代わりに遺産分割協議に参加したり、相続財産やその他の財産を管理する人のことを言います。
不在者財産管理人は、人単位のものであり、土地や建物などの財産単位のものではなく、又、そもそも所有者がわからない土地や建物については不在者財産管理人を選任することは困難でした。
今回新たに創設された、土地・建物に特化した財産管理制度では、土地、建物単位での管理人の選任が出来るようになります。管理人には、事案に応じて、弁護士・司法書士等のふさわしい者が選任されます。
財産管理制度は、所有者不明土地・建物と管理不全状態の土地・建物に分けられます。
① 「所有者不明土地・建物の管理制度」
調査を尽くしても所有者やその所在を知ることができない土地・建物について、利害関係人が地方裁判所に申し立てることによって、その土地・建物の管理を行う管理人を選任してもらうことが出来るようになります。管理人は、裁判所の許可を得れば、所有者不明土地の売却等もすることができ、公共事業や民間取引の活性化にも繋がると期待されています。
② 「管理不全状態にある土地・建物の管理制度」
所有者による管理が不適当であることによって、他人の権利・法的利益が侵害され又はそのおそれがある土地、建物について、利害関係人が地方裁判所に申し立てることによって、その土地、建物の管理を行う管理人を選任してもらうことができるようになります。
ひび割れ、破損が生じている擁壁の補修工事やゴミの撤去、害虫の駆除も管理人ができるようになります。

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