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2022.07.28

配偶者居住権

配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することが出来るように令和2年4月に配偶者居住権が新設されました。今までは、配偶者が建物を取得する場合には、他の財産を受け取れなくなってしまう事がありました。例えば、相続人が妻と子、遺産が自宅(2000万円)及び預貯金(2000万円)だった場合、法定相続分によると妻と子の相続分=1:1(妻2000万円:子2000万円)となる為、妻が自宅(2000万円)を取得した場合は、預貯金を取得できなくなります。住む場所があっても生活費がないというケースが問題とされていました。そこで、自宅の所有権(負担付所有権1000万円)は子が取得し、妻は配偶者居住権(1000万円)を取得、預貯金は妻が1000万円、子が1000万円取得することができるようになりました。
カテゴリ:相続
2022.07.26

遺産分割協議の注意点 その4

民法改正により令和5年4月より、具体的相続分による遺産分割の時間的制限が出来ます。これまでは、遺産分割に期限が設けられていなかったため、長期間遺産分割せずに放置されている土地などがあり、所有者不明土地問題の一因であるとされてきました。
そこで、相続開始から10年を経過した後にする遺産分割については、特別受益者の相続分や寄与分などの具体的相続分の主張が出来なくなります。つまり、相続開始から10年経過してしまうと、法定相続分又は指定相続分(遺言)でしか遺産分割は出来ません。(相続人全員が合意すれば出来ます。)これにより、特別受益や寄与分などのメリットを持つ相続人が早期に遺産分割の請求をすること、長期間遺産分割がされない事による生前贈与や寄与分に関する書証が散逸し、具体的相続分の算定が困難になり遺産分割の支障となる事を防ぐことが目的です。
カテゴリ:遺産分割
2022.07.25

遺産分割協議の注意点 その3

お腹の中の赤ちゃん(胎児)にも相続する権利はあります。胎児は生まれていないため権利能力の主体になれませんが、相続においては例外的に生まれたものとみなすとされています。しかし、胎児の間は遺産分割協議は出来ません。胎児が生まれてから、母親が子供の親権者として遺産分割協議に参加します。但し、この時に母親も相続人であった場合は、子供のために特別代理人の選任が必要になります。
カテゴリ:遺産分割
2022.07.22

遺産分割協議の注意点 その2

相続人に未成年者が居る場合は、法定代理人(父母)が代わって遺産分割協議に参加することになります。但し、父母も共同相続人であった場合は、父母と子供は利益相反の関係になりますので、子供のために家庭裁判所へ特別代理人の選任の申立をし、特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議に参加します。特別代理人は、誰でも良く親族もなれます。(資格要件なし)
実際は、遺産分割協議書の案を特別代理人の選任の際に一緒に提出しますが、遺産分割協議書の内容が未成年者に不利な場合は、家庭裁判所から特別代理人の選任の申立自体が受理されない可能性があります。未成年者に法定相続分の確保を求められることが多いですが、未成年者の養育費のために親権者が財産を相続した方が良い場合などは、個別に事情を明記する必要があります。

※相続人の中に認知症などの判断能力がない方がいる場合も同じく、成年後見人の選任が必要となり、代わりに遺産分割協議に参加することになります。
カテゴリ:遺産分割
2022.07.20

遺産分割協議の注意点

遺産分割は、相続人全員で協議する必要があります。遺産分割に際して、他に相続人がいることを知らなかった又は行方不明にて連絡が取れなかったとしても、1人でも相続人が参加していなければその遺産分割協議は効力を生じません。但し、遺産分割協議において、相続人全員が一堂に会して集まる必要はなく、全員が合意している内容の遺産分割協議書を郵送にて持ち回りで各自が署名、押印する形でもできます。
カテゴリ:遺産分割
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