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2023.08.29

庶子出生の届出

先日、被相続人(母親)の戸籍から相続人(子供)の戸籍が判明しないケースがありました。
一般的に相続が発生した場合は、亡くなられた方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本を取得して相続人を判断します。被相続人に子供が居ない場合は、相続人は親へ、親が既に死亡している場合は兄弟へと移行します。
前述のケースでも、被相続人の戸籍謄本を取得しましたが、子供が居なかった為、親→兄弟へと移行していく中で、たまたま被相続人に子供が居る事が判明しました。
私もビックリしました。間違えて他人の戸籍を取得したのか?とも思いました。

調べてみると、旧民法735条では、戸主の同意がない限りその家に入ることが出来ない。というような規定があり、親の戸籍に入ることが出来ないケースもあったようです。

そのため、庶子(非嫡出子)出生の届出として、
①非嫡出子を戸主として、新たな家を設ける。(一家創設)
②父から庶子出生の届出により父の家に入籍する。
という場合があったようです。

つまり、子の戸籍には親(父や母)の記載はあるが、親(父や母)の戸籍には子供の記載がされていない場合があります。今回は、②のケースであり、母の戸籍に子の記載はありませんでした。
今回は偶然判明しましたが、子供が居るのに居ないと判断されて、親や兄弟へ相続権が移行しているケースもあるかもしれません。世代も変わると事情を知っている方も少なくなってきます。

相続登記も来年に義務化されますので、相続登記はなるべく早くする方が良いですね。
是非、相続登記の依頼は当事務所までお願いします。お待ちしております。
カテゴリ:相続登記
2022.08.17

相続人不存在の場合

相続人がいるかどうかが明らかでない時は、相続財産の帰属主体を暫定的に決めて相続財産を管理し、清算をする必要があります。具体的には、被相続人が死亡し相続人がいるか明らかでない時は、相続財産は相続財産法人となります。そして、家庭裁判所は利害関係人の請求によって、相続財産管理人を選任します。相続財産管理人は、相続債権者へ債権を申出するように公告し、家庭裁判所は相続人捜索の公告をします。公告期間満了までに相続人としての権利を主張する者がない場合において、相当を認めるときは、家庭裁判所は相続財産の分与を浴する者を特別縁故者とし、相続財産の清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができます。特別縁故者へ財産分与がされない場合において、相続財産が共有物であるときは、その持分は他の共有者に帰属します。特別縁故者へ分与されず、共有者へも帰属されなかった相続財産がある場合は、当該財産は国庫に帰属します。相続財産に不動産が含まれている場合には、下記の登記申請が必要となります。
① 相続財産法人が成立した場合には、被相続人名義の不動産を相続財産法人名義とする登記名義人氏名変更登記が必要となります。
② 特別縁故者に対する財産分与の審判が確定した場合には、特別縁故者への所有権移転登記が必要となります。
③ 共有不動産の持分につき、特別縁故者の不存在が確定した場合には、他の共有者への持分移転登記が必要となります。

カテゴリ:相続登記
2022.08.15

相続登記と農地法の許可

農地の所有権を移転又は地上権などの使用収益を目的とする権利を設定する場合には、農地法の許可を受けなければならない。具体的には農地の所在の市町村の農業委員会の許可を受ける必要があり、許可を受けずに権利の移転、設定を行っても効力が生じません。但し、権利変動の原因が意思表示にかからない場合、例えば相続などは農地法の許可は不要です。
農地について売買を登記原因とする所有権移転登記の注意点として、
① 農地について売買契約後、売主の死亡後に農地法の許可があった時は、前提として相続登記を申請しなければならない。つまり、1件目に相続登記をし、2件目で売買による移転登記を行います。
② 農地について売買契約後、農地法の許可が到達し、登記申請までの間に買主が死亡した場合は、買主の相続人は売主と共同して買主(死者)名義とする所有権移転登記を申請することができます。つまり、1件目で売買による所有権移転登記をし、2件目で相続登記を行います。
③ 農地について売買契約後、買主が死亡し、死亡した買主宛の農地法の許可が到達したとしても、買主の相続人は所有権移転登記を申請することは出来ません。許可到達時に買主が死亡していた場合、農地法の許可は効力を生じません。つまり、新たに買主となる者宛の農地法の許可を取り直す必要があります。



カテゴリ:相続登記
2022.08.10

相続登記の登録免許税の減免措置

平成30年度及び令和4年度の税制改正により、相続による土地の所有権移転登記の登録免許税の免税措置が設けられました。
① 相続により土地を取得した人が相続登記をしないで死亡した場合の免税措置
個人が相続(遺贈を含む)により土地の所有権を取得した場合に、当該個人が相続による土地の所有権移転登記を受ける前に死亡したときは、令和7年3月31日までに当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とする移転登記を申請する際には、登録免許税を課さないこととされました。例えば、A→B→Cと順に相続が発生している場合に、A→Bへの登記は登録免許税を課さず、B→Cへの登記だけ登録免許税がかかることになります。但し、登録免許税の免税措置を受けるには申請書へ法令の条項の記載が必要であり、記載がない場合には免税措置は受けられません。
② 不動産の価額が100万円以下の土地に係る場合の免税措置
土地について相続(遺贈を含む)による所有権移転登記又は表題部所有者の相続人が所有権保存登記を申請する場合において、不動産の価額が100万円以下の土地であるときは、令和7年3月31日までは、登録免許税を課さないこととされました。但し、登録免許税の免税措置を受けるには申請書へ法令の条項の記載が必要であり、記載がない場合には免税措置は受けられません。

相続登記がされないことによる様々な社会問題の解決の一因として、登録免許税の免税とともに、令和6年4月から相続登記が義務化されます。
自分の権利を守るとともに、次の世代の子ども達のために、未来へ繋がる相続登記がされることを切に願います。
カテゴリ:相続登記
2022.06.28

相続登記1件で出来ますか?(その3)

再度、前回の続きです。次の事例はどうでしょうか?

自宅不動産はA(父)とB(母)の共有です。Aが死亡し相続登記しないまま、その後Bが死亡しました。AとBの相続人はC(子)とD(子)である。CとDで遺産分割協議の結果、Cが自宅不動産を取得することになりました。
この場合も相続登記1件で直接A、B→Cへ移転登記できる感じがしますが出来ません。
A→CとB→Cの2件の登記申請が必要となります。理由は登記申請の目的が異なるためなんですが、う~ん、何のこっちゃって感じですよね。
数次相続や共有持分の案件は、司法書士へ相談して下さい。

※個別具体的な案件については、お近くの司法書士へ直接お問い合わせして下さい。
カテゴリ:相続登記
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